HOME 目次 記事一覧 索引 操作方法 上へ 前へ 次へ

Vol.8 (1987/9[091])

<外国情報>
ロッキー山紅斑熱,1986年−米国


 1986年中に755例(0.32/10万)が報告された。オクラホマが率で最高(104例,3.2/10万),ノースカロライナが数で最高(129例,2.1/10万)。654例が報告書を提出,350例が検査室診断例である。全体の傾向は例年とかわらず,年齢の中間値は24歳,男性62%,白人92%。95%が4〜9月,特に47%が5〜6月に発生。62%がダニの刺し口を報告。症状は発熱94%,頭痛89%,筋痛87%。発疹は87%で,53%は掌および/または足裏にみられた。致死率は全体で3.0%,40歳以上が他より高く(5.8%),また刺し口のある者の方が暴露のわからない者より低い(1.5%対6.6%)。

 発生数は1980年初め以来めだって低下している。たとえば,南太平洋側諸州では10万対発生数が,1970年0.76,81年のピーク時1.91,1986年0.83。減少の理由は不明。予防はダニに刺されないよう皮膚を防御すること。患者は臨床診断によってただちにテトラサイクリンまたはクロラムフェニコールを投与する。血清抗体は2週目でないと検出不能なので,発疹や刺し口がないため診断が遅れることが,この群の致死率を高くしている。

(CDC,MMWR,36,20,1987)






前へ 次へ
copyright
IASR