HOME 目次 記事一覧 索引 操作方法 上へ 前へ 次へ

Vol.8 (1987/5[087])

<外国情報>
七面鳥からのブドウ球菌食中毒−米国


1986年3月30日,ニューメキシコのカントリークラブで約855人の立食パーティー後,急性胃腸疾患が発生した。インタビューした162人中67人が発症,24人が救急医療もしくは入院を要した。患者67人中下痢88%,嘔気78%,嘔吐78%,腹部けいれん66%,頭痛45%,発熱34%,血便4%であった。潜伏期間は平均5.5時間,中間値4時間であった。罹病期間は平均26.3時間,中間値16時間であった。

 3品目(七面鳥,とり肉ドレッシングとグレービー)が有意の値で疾病と関連した。七面鳥とドレッシングの細菌培養はそれぞれグラムあたり4×107および3×106のブドウ球菌が発育した。七面鳥にC型ブドウ球菌エンテロトキシンが見出された。七面鳥,ドレッシング,調理人のうち1人の鼻孔と糞便,1人の鼻孔,1人の糞便からファージ型95のブドウ球菌が分離された。七面鳥は調理後,細菌の増殖と毒素生産に十分な時間である3時間,室温におかれた。七面鳥も他の食物も共に同一の道具を用いて調理されたとみられる。

 このカントリークラブは1984年7月にもブリトスとタコスのブドウ球菌汚染による集団食中毒の発生を経験している。州の環境衛生係員による再教育,とくに手洗いの回数の増加,手袋や器具の使用,食物の7.2℃以下または60℃における小分け保存,設備,用具,管理,監督の改善が指導された。

(CDC,MMWR,35,46,1986)






前へ 次へ
copyright
IASR