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Vol.7 (1986/7[077])

<外国情報>
カリブ海遊覧船における胃腸炎流行−米国


 1986年4月26日〜5月10日に2つのカリブ海遊覧船において3件の胃腸炎集発があった。

 2件は1週間の遊覧で2回続けて発生したもので,初回は4月26日から5月3日に乗客1,550中392(25%)とクルー679中30(4%)が発症。下痢86%,嘔吐62%,頭痛36%,発熱26%,発生のピークは遊覧の5〜6日目であった。次回は5月3〜10日で乗客321/1,470(22%),クルー48/658(7%)が発症。CDCが実施した衛生状況調査では多くの欠陥の指摘と勧告がなされた(検査スコアーは100中18点,合格点は85)。

 さらにオランダのアメリカ遊覧船で5月3〜10日,乗客405/1,108(37%)とクルー35/554(6%)が発症,有病期間は平均2.4日。衛生検査スコアーは16。

 最初の発生について細菌培養は陰性。発症したクルー3人のペア血清において,ノーウォークウイルスに対する抗体が8倍またはそれ以上上昇,さらに乗客6人中2にノーウォーク抗原が検出された(いずれもビオチン−アビジンイムノアッセイ)。調査続行中。

 検査判定はまだ最初の発生のみだが,3発生ともノーウォーク胃腸炎の特徴がみられる。すなわち,(1)成人の高罹患率,(2)嘔吐の高率,(3)短い有病期間,(4)病原細菌は陰性。原因は水か食物,または衛生管理の欠陥によるものかまだ未解明である。

(CDC,MMWR,35,No.23,1986)






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