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Vol.7 (1986/1[071])

<国内情報>
急性出血性結膜炎からのコクサッキーA24(EH24型)の分離


 沖縄県宮古保健所において1985年10月25日に採取された急性出血性結膜炎患者の眼ぬぐい液から,予研・ウイルス中央検査部においてコクサッキーA24変異株(EH24型)が分離された。これは日本において結膜炎患者から本ウイルスが分離された初めての報告である。

 検出率はRD細胞が最もよく,2代継代までで25検体中18が陽性,いずれもEH24株抗血清で中和された。HeLa細胞の陽性率は2代継代まで4/25,HELも2代まで4/25であった。

 本ウイルスは1970年頃EV70による出血性結膜炎の流行出現と同じ時期に東南アジアで同様の結膜炎流行をおこし始めたウイルスである。シンガポール疫学月報(本号参照)によれば,最近本ウイルス感染は散発的であったが,本年3〜8月に大きい流行となった。同時期,台湾においても結膜炎の流行から本ウイルスが分離されている(高雄医学院眼科教授 陳振武 私信)。本ウイルスはCA24標準株の抗血清ではほとんど中和されない。



沖縄県公害衛生研究所
予研・ウイルス中央検査部





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