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Vol.6 (1985/8[066])

<国内情報>
日本脳炎について


今年も日本脳炎発生シーズンを迎えたが,当課では今後,全国各都道府県,指定都市における日本脳炎患者発生状況およびブタの血清抗体価陽性率をおおむね旬報の形で報告していく予定である。

なお,「疑似患者」は臨床的に日本脳炎と診断されたものであって,血清学的,ウイルス学的診断により他の疾患として診断されれば「転症例」として取り扱う。「真性患者」は血清学的,ウイルス学的に日本脳炎ウイルス感染の診断がついたものである。一方,ブタ情報は昭和41年度から流行予測事業の一環として実施されており,と畜場のブタ血清の日本脳炎ウイルスに対するHI抗体価を測定するとともに,その抗体の2−メルカプトエタノール感受性(2ME)を測定して,新鮮感染かどうかを調べるものである。

日本脳炎ウイルスは,ブタの血液中で増殖することが知られており,本事業のブタの抗体価調査は,日本脳炎ウイルスの侵淫度の指標となり,本ウイルスの汚染の警報の有力な手段を提供している。

1.ブタ情報

7月11までのところ,沖縄県北部ではHI抗体価が90%と上昇し,さらに2MEの陽性率がすでに90%に達し,同様に中南部では,それぞれ60%,93%となっていた。その後(7月23日現在),神奈川県,三重県,愛媛県,沖縄県北部,中南部で2ME感受性抗体陽性が認められた。

2.患者情報

現在までのところ徳島県から疑似患者1名が報告されている。

日本脳炎患者は昭和47年以降100人を割り,昭和52年には4人になったが,昭和53年には75人に増加した。昨年は一昨年に比べ6人増加して32人,死者6人となっており,多い都道府県順にあげると,熊本県16人,和歌山県7人,福岡県5人,佐賀県3人,東京都1人となっている。



厚生省保健医療局感染症対策課


全国日本脳炎情報No.1,2





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