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Vol.6 (1985/5[063])

<外国情報>
細菌性赤痢サーベイランス,1983〜85−英国


イングランドおよびウェールズにおける赤痢届出数は1956年の49,000以上を頂天として,続く20年間低下し,1979年と1980年に3,000以下となったが,その後増加してきた。この増加の大多数はS. sonnei感染によるもので,1983年ハル,1984年ブラッドフォード,1985年に再びハルにおいて集団発生が報告された。届出数と検査室結果における性別分布には変化がないが,年齢分布は未就学および小学校児童でもっとも増加していることを示している。

ハルにおける集団発生では初発例はランカシャー市から最近到着した2つの家族であるが,海外旅行や移住との関連性は地方当局の究明によっても証明できなかった。さらにイングランドおよびウェールズでの検査室資料は1975年〜1984年間に海外で罹患したS. sonneiS. flexneriの比率は,S. boydiiS. dysenteriaeによるものの増加にもかかわらず減少していることを示した。

最近の増加の原因は不明であるが,発生数における自然的長期的変化の一部分であるかもしれない。しかし,増加のあるものは疑似例で以前には病例として正式に届出されていなかった感染者をより検査を徹底し,報告したことと関連しているのかもしれない。

増加したとはいえ,イングランドとウェールズにおける総届出数は,25年以前にみられた数の5分の1以下にとどまっている。

(CDR,85/11,1985)






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