HOME 目次 記事一覧 索引 操作方法 上へ 前へ 次へ

Vol.5 (1984/5[051])

<外国情報>
A型肝炎(HA)−カナダ


HAはカナダでは主な届出伝染病の1つで,医師が報告する感染症の1.5%,頻度では10位を占めている。不顕性感染が多いので報告は一部にすぎないだろう。1969年以来HBに対する割合は徐々に減少し, 1982年には全肝炎報告数の48%である。HAは7〜9年ごとに流行し(1938,45,54,62,70年),最高は1962年の10万対67.5(12,538例)ついで70年は57.5(12,283例)だった。この年は全国的流行でYukonおよびPrince Edward島は10万対1100以上の罹患を報告した。その後1977年(やや上昇)を除き次第に低下,1982年は1222例,1983年の暫定数でも同程度である。

発生は1〜2月にピークがある。1970年は49%が15歳以下だったが1982年にはこの年齢群は28%となり,代って20〜30歳が40%(1970年では27%)に増加した。発生は女より男に多く,男では25〜29歳が最高,次いで5〜9歳,女子では5〜9歳についで20〜24歳が多い。

 1970年代では年間3200人が入院(平均12日)したが入院数はその後減少している。死亡率は一般に加齢と共に上昇するが,子供では乳児が最高である。1976〜80年間に患者13,538,死亡例206(1.5%)であった。この10年間カナダでは米国よりも著明にHA患者が減少した。カナダの発生は散発的で,米国では託児所内の流行が報告されるがカナダではまれである。

(WHO,WER,59,11,81,1984)






前へ 次へ
copyright
IASR