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Vol.5 (1984/2[048])

<外国情報>
食品に起因したA型肝炎(HA)−米国


 1983年9月〜10月,レストランに起因する2つのHA流行があった。1つはオクラホマの約7800人の町で203名の罹患,年齢は2〜66歳。index患者は22歳のドライブインレストラン従業員で,下痢をした後肝炎発症まで4日間働いていた。調査した患者の92%(75/161)が,発症2〜6週前にこのレストランで食事をした。食品は特定できなかった。食品関係者および客に約5500dosesの免疫グロブリン(IG)が投与され,レストランは1月休業した。他の1例はテキサスの18,000人の市で123例発症,100人は14〜60日前にあるレストランで食事をした。8人はレストラン従業員。年齢は7〜64歳。レタス,トマト,ピクルスが関係あるとみられた。サンドイッチ係(IgM−,IgG+)が3週以上前に肝炎はなかったが鼻炎と嘔吐があったことがわかった。従業員すべてと客に推定15,000〜20,000dosesのIGが投与された。

 1982年にCDCに691例の食物取扱者のHA感染と8流行が報告された。これからみると食物取扱者から起こる流行の頻度はかなり低く,生の食物のみが関係するとみられる。感染を防ぐのには手洗が唯一の必要な手段である。IGは発症(通常4週)後は無効だが暴露2週以内に与えられれば有効なので当局は食物取扱者にanti HAV IgMが検出された場合,IGを全従業員に与えるよう勧告している。

(CDC,MMWR,32,50,652−659,1983)






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