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Vol.4 (1983/5[039])

<外国情報>
英国の性病サーベイランス:1981 


1981年の動向

 クリニックの初診患者は1950年以降毎年増加しており,1981年には1980年より4.6%増加した。梅毒と淋病は処置を要する者のうちの16%であって,この両者以外が増加している。合計でみると1951年と1981年の比較で男性が8倍,女性は11倍となった。



性病クリニックの初診数

 1981年の初診者の増加の主なものは非特異的性器感染で,これ以外では単純ヘルペス,疣およびカンジダ症が増加した。梅毒と淋病は減少したが,β−ラクタメース産生淋菌株による感染報告は2倍以上(1979年104,80年211,81年443)である。外国での感染は減少した(1980年52%,81年38%)のでこの増加は国内感染である。トリコモナス症,梅毒以外のトレポネーマ症は少ない。



非特異的性器感染症

 この診断および報告分類はまちまちで,以前,非淋菌性尿道炎または非特異性尿道炎と呼ばれたものがこれに含まれる。この病因は十分には明らかではないが,Chlamydia trachomatisがUKでは最も一般的に認められ,数ヶ所のクリニックの検査によれば,性病で来診した女性の頸管からの分離率が31%に達している。骨盤炎症病が女性で重要で死亡率が高く,入院統計(明らかに過少数)では20年間に倍加した(1960年5850,1979年12450)。原因は明らかではないが,淋病の低下と非特異的性器感染の増加は,C.trachomatis感染を示唆する。他の理由として例えば子宮内避妊用具の使用者の増加も考えられる。

(CDR,83/05)



表.UKにおける性病:初診者数 1977〜1981





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