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Vol.4 (1983/3[037])

<外国情報>
コレラサーベイランス


 腸内細菌のファージ型別・薬剤耐性に関するWHO協力センター(ロンドン)からの報告―1981年度バングラデッシュのダッカで起こった流行において分離された10株のO−1群コレラ菌エルトール型多剤耐性株について検査がなされた。これらはInaba型であり,アンピシリン,ネオマイシン−カナマイシン,スルフォンアミド,テトラサイクリン,ゲンタマイシンに耐性であって,R-type AK Su TGと表現される。MIC(μg/ml)はA,64;K,10000;Su,>2000;T,8;G,25であった。1979年,1980年度の分離株とは対照的にストレプトマイシンとトリメトプリン耐性は検出されなかった。これら10株すべて,耐性は伝達性であり,分子量約100×106のC和合群のプラスミドにコードされる。10株のプラスミドは遺伝学的に区別できず,10株すべてInaba型であることから,これらは1981年度に発生し,バングラデッシュにひろまった単一クローンを代表するものであると結論された。

 1979〜1980年度の流行の分離株由来プラスミドもC和合群に属するが,制限酵素で処理して,そのフラグメントパターンを比較してみると,1981年度のものとは関係なさそうである。

(WHO,WER,58,bR,19,1983)






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