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Vol.4 (1983/2[036])

<外国情報>
インフルエンザの流行(英国)


 1982年4月にYorkshire病院(268床)の老人病棟で死者が急増,42名が死亡した(1,2,3月はそれぞれ30,24,21)。このうち27名はインフルエンザ様症状で原疾患が悪化(他の15名は他の死因)したことによる。年令は72〜99才で,80才以下は6名,8名が90才以上であった。他に57名が発病したが,死はまぬがれた。スタッフも数人発症した。今期ワクチン接種をうけた者はいなかった。

 患者の隔離と新入院の中断をおこない,エリスロマイシンが細菌二次感染の処置として投与された。4月22日以後新たな発生はなく,4月26日,老人病院は再開された。

 インフルエンザA(H3N2)が初期患者中の3死亡例の肺に検出された。解剖所見はインフルエンザ感染を支持した。レジオネラ症は否定,二次肺炎例では肺炎レンサ球菌,インフルエンザ菌および少数のブドウ球菌が分離された。血清学的診断では15患者でインフルエンザA型感染が確認された。

(CDR,82/47)






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