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Vol.3 (1982/12[034])

<外国情報>
スペクチノマイシン耐性リン菌株(PPNG)のサーベイランス(スペクチノマイシンディスク拡散試験法)


 スペクチノマイシン耐性リン菌が時としてペニシリン耐性を伴ってでてきたことは公衆衛生上の脅威であって,今後この感染症の治療ならびに制御に複雑な問題をなげかけることになった。感受性試験のためのスペクチノマイシン100μgディスクは,現在手に入らないので,市販の6mm径ブランクディスクと塩酸スペクチノマイシンを用いて自分で作ることがすすめられる。

ディスク作製法:

(a)使用濃度(さしあたっつ100μg)の40倍の保存液(4000μg/ml)を作る。無菌的表面の上にブランクディスクをならべる。

(b)目盛りつきドロッパーを用いて各ディスクの上に保存液を0.025ml(1/40ml)を滴下する。

(c)それらのディスクを室温,または37℃のふらん器中で乾燥させる。そのあと,−20℃あるいはそれ以下のところで,シリカゲルなど乾燥剤を入れた容器に収めて保存する。

感受性試験の当面の方法:

(a)チョコレート寒天上のリン菌の18〜24時間発育の純培養から1mlあたり108生菌単位数の菌液を作る(0.5McFarlandスタンダードに相当する)。

(b)標準Kirby-Bauer手枝に記載されているように,上記菌液をIsovitalex(あるいは相当品)を加えたGC基礎寒天,あるいはチョコレート寒天に接種する。寒天表面にスペクチノマイシンディスクの一枚をしっかりとおしつける。平板培地を上下逆にしてCO2ふらん器に置くか,ろうそく培養する。18〜24時間。

(c)発育阻止帯の直径を測定する。

(d)当面の勧告としては,阻止帯の径が18mm以下の場合,分離リン菌を耐性菌とみなすべきとする。

スペクチノマイシン耐性とみられる新鮮分離リン菌株は米国のCDC,あるいはデンマーク,コペンハーゲンの国立血清研究所に送付し,確認をうけることが望ましい。

(WHO,WER,57,41,318,1982)






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