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Vol.3 (1982/4[026])

<外国情報>
ポリオワクチン関連発症例―米国,1981


1981年6月,Washingtonの27才の男性が左肢痛,腰部圧痛,発熱,頭痛等の症状で来院,ポリオが疑われ,培養の結果当日の便よりポリオU型が分離された。CDCにおいてオリゴヌクレオチドマッピング法によってワクチン様ウイルスと決定された。対血清は共にU型に160倍,TまたはV型はネガティブであった。1週間で退院したが,60日後なお左肢の足下垂症と筋薄弱があり,杖が必要であった。患者は慢性疾患,旅行歴,患者との接触等の事実はいずれもなく,宗教上の理由からワクチン投与は受けていない。発病11日前,初回経口ワクチン投与を8日前にうけた生後8週児と接触している。

MMWR編者註:1969−1980年に米国では291.4×106 dosesの生ワクチンが供給され,93例のワクチン関連症例が報告された。このうち36例はワクチンを投与された者(1例/8.1×106 doses),57例は家族その他からの接触感染者(1例/5.1×106 doses)で前者の92%は4才以下,後者の73%は20才以上であった。U型およびV型が多い。ポリオ免疫は重要であり,かつワクチン関連発症例は少数だから,子供に対する生ワク投与を推進すべきであり,一方,免疫のない親は,子供の生ワク投与直前に不活化ワクチンを接種するのもよいだろう。

(MMWR,Vol. 31,bW,1982)






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