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Vol.2 (1981/11[021])

<外国情報>
AHCのパンデミー


西半球でAHCが最初にみられたのはブラジルのアマゾン河口にある町Macapaで本年2月下旬のことという。それからベーレム(Belem),マナウス(Manaus)といった町に拡がり,罹患率は40%に達し,ベリズ(Belize),ブラジル,コロンビア,キューバ,ガイアナ,ホンジュラス,スリナム,ガテマラ,トリニダト・トバゴに拡大した。血清学的にはEV70の他アデノなどに抗体上昇を示したものも混じっている。

その後9月4〜21日の間に米国フロリダのキーウエスト(Key West)で362例が出たのをはじめとして,マイアミ大学眼科から9月15日〜21日に259例の報告があり,いよいよアメリカでも流行しているらしい。患者の93%は黒人,男女比は,1.7:1,93%は両眼,91%に結膜下出血,77%リンパ腺腫脹,66%は眼瞼浮腫があり,典型的AHCとみられる。

その後の情報によれば,フロリダ州キーウェストの患者からEV70がはじめて分離された。

(MMWR,1981,30:463-4,465−6,497)

日本各地でも多発しているが,10月に入って,宮崎県を中心とした南九州で3,000人の集団発生が報ぜられており,全国感染症サーベイランス情報によると,10月29日現在1788例の報告がある。






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