HOME 目次 記事一覧 索引 操作方法 上へ 前へ 次へ

Vol.2 (1981/2[012])

<外国情報>
フロリダでのコレラ患者発生


コレラの一症例がフロリダから報告された。40才の女性で,11月29日突然発症してはげしい下痢,腹部けいれん,嘔吐を経験した。食中毒を疑って対症的に治療された。しかし,症状は軽快せず,3日目,医師は便の培養を命じ,テトラサイクリンの経口投与を開始した。便からEl Tor 稲葉型,毒素原性コレラ菌が分離された。

患者は11月21日から25日の間に,6ダースばかりの生がきを食した。このかきは11月17日あるいは19日にフロリダApalachicola湾内の認可地区で収穫されたものである。他の海産物は摂食しておらず,西部フロリダ以外の土地への旅行経験もない。かきが原因食であったか否か疫学調査がなされている。これまで別の患者発生はない。過去2ヶ月,かき採取の許可地区の定期検査では,大腸菌レベルは国の規準以内である。

編集部註:非海外旅行者からのコレラ患者発生は,米国では1978年におけるルイジアナでの症例が最後のものであった。これらの症例はむした蟹の摂取が流行疫学と関係があった。ルイジアナの分離株もEl Tor稲葉型であった。このルイジアナ株と今回のフロリダ株が同一由来であるか否かは,ファージ型別や他の方法で検討されるであろう。

(MMWR,Vol.29,No.50,601)






前へ 次へ
copyright
IASR