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Vol.2 (1981/1[011])

<国内情報>
A群溶連菌の薬剤感受性と菌型


当研究所では,1968年以来猩紅熱研究会の研究の一環としてA群溶連菌の薬剤感受性と菌型とについて調査研究を行っているが,1979年に全国各地から収集した菌株は,猩紅熱由来1468株,各種溶連菌感染症由来533株,健康学童由来167株,総計2168株であるが,その一部を薬剤感受性試験,菌型々別に供試した。

感受性では,βラクタム類抗生物質に対して,耐性を示す菌株は分離されなかったが,TC,CP,EMに対しては,25μg/ml以上のMICを示すものが,猩紅熱由来株ではそれぞれ80%,47.3%,35.5%,各種疾患由来株では,63.2%,36.8%,27.5%,学童由来株では,73.1%,23.4%,11.4%であり,菌株の由来によってその耐性株の分離頻度に差が認められた(Table1〜3)。

過去8年間の主要流行菌型はTable4に示すとおりで,12型が常に主流であった。

耐性と菌型との関係はTable5の如く,12型の多剤耐性,6型の2剤耐性,4型のTC単独耐性,1型の比較的感受性が特徴的であった。



東京都立衛生研究所 大久保暢夫


Table1
Table2
Table3
Table4
Table5





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