日本のHIV感染者・AIDS患者の状況
  (平成23年6月27日〜9月25日)
(Vol. 32 p. 371-373: 2011年12月号)

平成23年11月25日
厚生労働省健康局疾病対策課

第127回エイズ動向委員会委員長コメント

《平成23年第3四半期》

【概要】
1.今回の報告期間は平成23年6月27日〜平成23年9月25日までの約3か月

2.新規HIV感染者報告数は265件(前回報告217件、前年同時期257件)で、過去9位。そのうち男性251件、女性14件で、男性は前回(209件)および前年同時期(240件)より増加、女性は前回(8件)より増加、前年同時期(17件)より減少。

3.新規AIDS患者報告数は108件(前回報告136件、前年同時期111件)で、過去14位。そのうち男性105件、女性3件で、男性は前回(127件)より減少、前年同時期(103件)より増加、女性は前回(9件)および前年同時期(8件)より減少。

4.HIV感染者とAIDS患者を合わせた新規報告数は373件で過去9位。

【感染経路・年齢等の動向】
1.新規HIV感染者:
○同性間性的接触によるものが178件(全HIV感染者報告数の約67%)、そのうち166件が日本国籍男性。
○異性間性的接触によるものが63件(全HIV感染者報告数の約24%)、そのうち男性50件、女性13件。
○静注薬物によるものは5件(うち、その他に計上されているものが3件)。
○年齢別では、特に20〜30代が多い(前回と比較すると、全年代で増加した)。

2.新規AIDS患者:
○同性間性的接触によるものが60件(全AIDS患者報告数の約56%)。
○異性間性的接触によるものが28件(全AIDS患者報告数の約26%)、そのうち男性28件、女性0件。
○年齢別では、特に30代以上に多い。

【検査・相談件数の概況(平成23年7〜9月)】
1.保健所におけるHIV抗体検査件数(速報値)は24,711件(前回報告24,861件、前年同時期26,904件)、自治体が実施する保健所以外の検査件数(速報値)は6,596件(前回報告6,692件、前年同時期7,342件)。

2.保健所等における相談件数(速報値)は40,681件(前回報告38,784件、前年同時期43,403件)。抗体検査件数は前回および前年同時期に比べ減少、相談件数は前回より増加、前年同時期に比べ減少した。

【献血の概況(平成23年1〜9月)】
1.献血件数(速報値)は3,936,332件(前年速報値3,999,981件)。
2.そのうちHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数(速報値)は70件(前年速報値61件)。10万件当たりの陽性件数(速報値)は1.778件(前年速報値1.525件)。

《まとめ》
1.新規HIV感染者報告数は前回より増加し、新規エイズ患者報告数は前回より減少した。
2.HIV抗体検査件数および相談件数はともに前年同時期と比べ減少した。
3.早期発見は、個人においては早期治療、社会においては感染の拡大防止に結びつくので、HIV抗体検査・相談の機会を積極的に利用していただきたい。
4.12月1日はWHOが定めた世界エイズデーである。厚生労働省や自治体等において、世界エイズデーに合わせたキャンペーンが予定されており、国民にはこの機会を通じてHIV/エイズに対して関心を持っていただきたい。

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