日本のHIV感染者・AIDS患者の状況
  (平成23年3月28日〜6月26日)
(Vol. 32 p. 301-303, 308: 2011年10月号)

平成23年9月27日
厚生労働省健康局疾病対策課

第126回エイズ動向委員会委員長コメント

《平成23年第2四半期》
【概要】
1.今回の報告期間は平成23年3月28日〜平成23年6月26日までの約3か月

2.新規HIV感染者報告数は217件(前回報告243件、前年同時期263件)で、過去21位。そのうち男性209件、女性8件で、男性は前回(226件)および前年同時期(248件)より減少、女性は前回(17件)および前年同時期(15件)より減少。

3.新規AIDS患者報告数は136件(前回報告117件、前年同時期129件)で、過去1位。そのうち男性127件、女性9件で、男性は前回(107件)および前年同時期(125件)より増加、女性は前回(10件)より減少、前年同時期(4件)より増加。

4.HIV感染者とAIDS患者を合わせた新規報告数は353件で過去16位。

【感染経路・年齢等の動向】
1.新規HIV感染者:
 ○同性間性的接触によるものが148件(全HIV感染者報告数の約68%)、そのうち142件が日本国籍男性。
 ○異性間性的接触によるものが39件(全HIV感染者報告数の約18%)、そのうち男性32件、女性7件。
 ○年齢別では、特に20〜30代が多い。

2.新規AIDS患者:
 ○同性間性的接触によるものが68件(全AIDS患者報告数の約50%)。
 ○異性間性的接触によるものが43件(全AIDS患者報告数の約32%)、そのうち男性35件、女性8件。
 ○年齢別では、特に30代以上に多い。

【検査・相談件数の概況(平成23年4〜6月)】
1.保健所におけるHIV抗体検査件数(速報値)は24,861件(前回報告24,475件、前年同時期25,103件)、自治体が実施する保健所以外の検査件数(速報値)は6,692件(前回報告6,680件、前年同時期6,908件)。

2.保健所等における相談件数(速報値)は38,784件(前回報告39,094件、前年同時期40,181件)。抗体検査件数は前回報告に比べ増加、前年同時期に比べ減少、相談件数は前回および前年同時期に比べ減少した。

【献血の概況(平成23年1〜6月)】
1.献血件数(速報値)は2,647,381件(前年速報値2,666,292件)。

2.そのうちHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数(速報値)は50件(前年速報値39件)。10万件当たりの陽性件数(速報値)は1.889件(前年速報値1.463件)。

《まとめ》
1.新規HIV感染者報告数は前回より減少し、新規エイズ患者報告数は四半期ベースでは過去最多となった。
2.HIV抗体検査件数および相談件数はともに前年同時期と比べ減少した。
3.新規エイズ患者報告数の増加は、潜在的な感染者数の増加とHIV抗体検査の遅れを示唆している。
4.早期発見は、個人においては早期治療、社会においては感染の拡大防止に結びつくので、HIV抗体検査・相談の機会を積極的に利用していただきたい。

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