Salmonella Oranienburgによる国際的なアウトブレイク
(Vol. 30 p. 323: 2009年12月号)

2009年4月30日〜8月5日に、Salmonella Oranienburg感染者54例が、イングランド、ウェールズ、北アイルランドを対象とした国の病原体サーベイランスシステムから報告された。これらのうち38例で、パルスフィールド・ゲル電気泳動のパターンが一致した。パターンの一致した症例のうち25例は5月4日〜22日に発症している。症例の年齢中央値は37歳(平均40歳、分布0〜75歳)で、女性が47%を占めていた。全地域から報告されおり、地理的な分布に特別な偏りはなかった。

同時期に、同じPFGEパターンのS . Oranienburgの症例が米国(85例)、カナダ(7例)、スコットランド(7例)でも発生していた。これら症例の年齢、性別の分布は英国での調査結果と同様であった。

Health Protection Agency(HPA)腸管病原体感染症検査センターおよび米国疾病対策センターでは、症例に対して質問票調査等を行い、また、病原体検査結果は、英国・米国において輸入食品およびルーチンの食品からのサンプリング結果と比較検討された。ヨーロッパ疾病対策センターと関係4カ国は、疫学や結果について、コンピュータや電話会議上で定期的に情報交換を行った。

調査結果からは、第3国もしくは米国から輸入されたある食品が共通の原因として疑われたが、感染源と特定することはできなかった。疫学上は5月初め〜中頃にかけての一過性の問題であったと考えられ、調査は終了となった。HPAはS . Oranienburgのモニターを今後も続けていく予定である。

(Health Protection Report, 3, No.37, 2009)

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