2008/09シーズン4〜5月に分離されたAH3亜型インフルエンザウイルス―栃木県
(Vol. 30 p. 182-183: 2009年7月号)

2008/09シーズン、第14週(3/30〜4/5)〜第18週(4/27〜5/3)に、県北の定点医療機関で採取された鼻汁40検体について、MDCK細胞を用いたウイルス分離を実施した。その結果、28検体からインフルエンザウイルスAH3亜型、7検体からインフルエンザウイルスB型Victoria系統が分離された。

さらに、第20週(5/11〜5/17)〜第21週(5/18〜5/24)に県北の定点医療機関で採取された13検体の鼻腔ぬぐい液についてPCR法による遺伝子検査の結果、11検体からAH3亜型インフルエンザウイルスのHA遺伝子が検出されており、現在MDCK細胞を用いたウイルス分離を実施している。

AH3亜型28株の赤血球凝集抑制(HI)試験(0.75%モルモット赤血球使用)には国立感染症研究所から配布された2008/09シーズン抗原解析用抗体キットを用いた。これらの28株は、抗A/Brisbane/59/2007(ホモ価640)、抗B/Malaysia/2506/2004(同2,560〜5,120)、抗B/Brisbane/3/2007(同2,560〜5,120)に対して、いずれもHI価<10、抗A/Uruguay/716/2007(同640)に対して、HI価40〜80を示した。今回分離されたAH3亜型の抗原性は、2008/09シーズンのワクチン株であるA/Uruguay/716/2007とは大きく異なっていた。

AH3亜型が分離された28例の年齢は、3〜4歳8名、5〜7歳8名、10〜14歳10名、30代、40代各1名であった。

栃木県の保健所管内別インフルエンザ定点報告数(図1)によると、県北で 第16週(4/13〜4/19)〜第20週(5/11〜5/17)に小さなピークがみられる。今回分離されたAH3抗原変異株による地域流行はこのまま終息にむかうのか、またこの株が来シーズンの流行の主流となっていくのか、今後の発生動向に注意する必要があると考える。

栃木県保健環境センター 大金映子 平田明日美 舩渡川圭次

今月の表紙へ戻る


IASRのホームページに戻る
Return to the IASR HomePage(English)



ホームへ戻る