エコーウイルス18型の分離状況−北九州市

(Vol.27 p 153-153:2006年6月号)

2006年3月下旬に当所に持ち込まれた咽頭ぬぐい液(臨床診断名未記入)からエコーウイルス18型(E18)を分離して以来、5月31日現在までに計5件分離された。

発病月日は3月24日〜4月21日で、検体は髄液1・咽頭ぬぐい液4、臨床診断名は未記入2・不明発疹症2・無菌性髄膜炎1、いずれも発熱があり、年齢は1歳〜4歳であった。

ウイルス分離にはHEp-2細胞、RD-18S細胞、Vero細胞を用いたが、5件ともRD-18S細胞のみにエンテロウイルス様の細胞変性効果(CPE)をみとめた。分離ウイルスの同定にはデンカ生研のエンテロウイルス混合血清、単味血清および国立感染症研究所より分与のエコーウイルスプール抗血清(EP95)を用いた。分離株は中和試験開始7日目でE18単味血清に良好に中和された。

現在、発病月日が4月23日〜5月15日までの4検体(髄液1・咽頭ぬぐい液3)において上記同様RD-18Sのみにエンテロウイルス様のCPEをみとめており、また、無菌性髄膜炎の診断名で5月16日〜5月30日までの髄液検体が6件搬入され、上記各細胞に接種し、ウイルス分離を実施している状況である。

無菌性髄膜炎の患者が増加傾向にあり、今後の動向に注意する必要がある。

北九州市環境科学研究所 村瀬浩太郎 吉川ひろみ 山本康之

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