川崎市におけるB型インフルエンザウイルスの分離

(Vol.27 p12-13:2006年1月号)

川崎市において、2005年12月13日に採取された咽頭ぬぐい液から、今冬初めてB型インフルエンザウイルスが分離されたので、その概要について報告する。

患者は69歳の女性で、海外渡航歴、ワクチン歴はともに無かった。発症は12月12日で、39℃の発熱、関節痛、筋肉痛、食欲低下を呈し、医療機関におけるインフルエンザ迅速診断キットの検査ではB型に陽性の反応がみられた。

当所において、検体をMDCK細胞に接種したところ、3日後に特徴的なCPEが観察された。0.75%ヒトO型血球を用いたHA試験は256倍で、A型(64倍程度)に比べ高い血球凝集がみられた。国立感染症研究所から配布された2005/06シーズン用インフルエンザHI試験キットを用いて検査を行ったところ、A/New Caledonia/20/99(ホモ価 1,280)、A/New York/55/2004(同 2,560)に対しては<10であったが、B/Shanghai(上海)/361/2002(同 1,280)で20、B/Brisbane/32/2002(同 5,120)で 5,120のHI価を示した。また、念のためデンカ生研製のニワトリ抗血清を用いてHI試験を行いB/Shanghai(上海)/361/2002(ホモ価 80)で<10、B/Shandong (山東)/07/97(同 80)で20のHI価が認められた。このことから分離されたウイルスはビクトリア系統のB型インフルエンザウイルスであると確認された。

本市では2005年11月15日に採取された咽頭ぬぐい液からA/H3N2が、また、11月28日にはA/H1N1が分離され、11月〜12月にかけて(12月22日現在)、A/H1N1が2株、A/H3N2が5株分離されており、B型を含めた3種類が混在することとなった。A/H1N1は2001/02シーズン、B型(ビクトリア系統)は2002/03シーズン以来の分離となり、今後の動向が注目される。

川崎市衛生研究所 清水英明 奥山恵子 平位芳江 小川正之

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