イングランドとウエールズで感染したE型肝炎−英国

(Vol.26 p 346-346)

1996〜2003年の期間に、保健当局の感染症センターのウイルスリファレンス課で、E型肝炎患者186例が血清学的に診断された。そのうち17例(9%)では、最近の外国への渡航と関連がなかった。患者は全員55歳以上(年齢幅は56〜82歳)の白色人種で、男性が多かった(76%)。2例の患者は劇症肝炎を生じ、うち1例は死亡した。遺伝子解析ではすべてが、英国のブタに感染するHEVにかなり類似しており、すべてが遺伝子型3であった。

これらの結果が示唆するところは、E型肝炎はイングランドやウエールズに土着しており、この一連の症例が示すことは、明確に人口統計学的グループに片寄って発生しており、感染源はおそらく複数であり、ブタがウイルスの保有宿主であろうということである。このような結果から感染症センターは、E型肝炎の国内感染例を検出し、感染のリスク因子を調査するために強化サーベイランスを開始した。

2005年の初めの6カ月間では、感染症センターと西中部地方公衆衛生研究所で、181症例のE型肝炎感染が診断された。これらのうち24例は、感染前に英国から外国へ渡航をしていなかったし、他の24例も国内での感染が疑われた。

(CDSC, CDR Weekly, 15, No.45, 2005)

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