オランダおよびその他の地域でのノロウイルス(GGII.4バリアント)集団発生の多発、2004/05シーズン

(Vol.26 p 153-153)

2004年10月のオランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)からの報告以来、急性胃腸炎の集団発生の報告が増加している。今シーズンは“冬季嘔吐症”が早期に始まり、その報告数の増加は並はずれている。多くの公共施設より集団発生が報告され、現在までのところ、確定診断されたものすべてがノロウイルス(NoV)によるものである。ProMED mailにおいても、いくつかの国で増加が報告されており、この状況はより広範囲に及んでいる可能性がある。

ヨーロッパ食品媒介ウイルスネットワーク(FBVE)によれば、2002年にNoVによる集団発生が急激に増加し、ヨーロッパを越えて米国でも増加が報告されていた。これらは病院や老人ホーム、クルーズ船などで発生していた。2002年の顕著な増加はNoV genogroup II.4(GGII.4)の新しいバリアントによるもので、このウイルスは2002年初頭に確認され、夏までにFBVE全加盟国において従来の流行株に置き換わった。

2004年にオランダで分離された株は、GGII.4の別の新しいバリアント(GGII.4-2004)であり、2002年のGGII.4バリアントとは異なるものである。2004年8月初頭以来、オランダでは71事例のNoV の集団発生が確認され、うち44事例は、すべてがGGII.4-2004に関連していた。このGGII.4-2004は、南半球では既に2004年冬に高度流行していたことが確認されている。FBVEサーベイランスによると、GGII.4は他のNoVよりも施設などで集団発生を起こす傾向がある。そのため、ヨーロッパでの監視が続けられている。

(Eurosurveillance Weekly, 8, Issue 52, 2004)

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