ベルゲンで起こった水系感染によるジアルジア症の集団発生、2004年−ノルウェー

(Vol.26 p 21-22)

ノルウェー西海岸の有名な観光地ベルゲン市(人口約25万人)で、ジアルジア症の集団発生が起こった。公衆衛生当局は、2004年9月初旬以降、365人の検査確定例の報告を受けた。症例の主症状として下痢、腹痛がみられた。症例の多くは20歳〜40歳であり、今のところ、子供と高齢者の症例報告はわずかにすぎない。

初期の症例インタビューより、市中央部へ水を供給している公共水道が感染の原因と考えられた。また、この水道水のサンプルから感染に十分な量のジアルジア(10l あたり5シスト)が検出された。調査を行った水道水処理施設では地表水を水源としており、塩素処理などが行われていたが、ジアルジアを除去する充分な処理過程がないことがわかった。曝露のあった期間は2004年8月末〜対策が実施された11月5日までと推定されている。この水道水の利用者には、煮沸して使用するよう指導がなされた。また、地元の水道会社は水の供給元を変更した。

今後、水源より高い丘に建つ家々からの下水による汚染の調査を実施する予定である。ホテルや旅客施設には、情報提供および必要な予防策がとられている。現在、ベルゲンの地方公衆衛生当局が症例対照研究を含めた調査を実施中である。ノルウェー公衆衛生研究所感染症疫学部の実地疫学者が、地方公衆衛生局を支援している。

(Eurosurveillance Weekly, 8, Issue 46, 2004)

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