福岡市におけるChlamydia trachomatis 抗体検査結果

(Vol.25 p 204-204)

福岡市では、2001(平成13)年6月より、性感染症の中でも発生数の多いChlamydia trachomatis (以下Ctと略)の抗体検査を無料、匿名でHIV抗体検査と併せて実施している。

採血は、市内7つの保健福祉センターで、それぞれ特定の曜日に受け付け実施している。本研究所では搬入された血液検体を週に1度検査している。検査は、ヒタザイム[ELISAキット、日立化成工業(株)製造]を用い、IgA抗体およびIgG抗体を測定し、いずれかの抗体が陽性である場合を、Ct抗体陽性と判定している。

2003(平成15)年度末までの検査総数は5,021件で、受検者数は男女ほぼ同数(男性2,546件、女性2,475件)であった。男性の場合、20代、30代(1,081件、847件)で全男性の70%以上を占めていた。女性の場合、特に20代(1,381件)が多く、女性全体の半数以上であった。また、10代女性の検査数(330件)も20代と比較すると少ないものの、同年代の男性(98件)の3倍以上あり、Ct感染症への関心の高さをうかがわせた(図1)。

Ct抗体陽性数は1,213件(男性452件、女性761件)、陽性率は24%(男性18%、女性31%)と、Ct抗体陽性者は女性が多かった。男女別のCt抗体陽性率を図2に示した。男性はどの年代も20%前後で、年代差はほとんどなかった。一方女性は、10代、20代、30代で29%、32%、32%といずれも高率であり、生殖年齢にある女性への感染の拡大および次世代への影響が懸念される。

検査数は、2001(平成13)年度〜2003(平成15)年度にかけて、1,211、1,820、1,990件と増加している。一方で、Ct抗体陽性率は26%、28%、20%と、2003年度は前年度より減少している。

今後は、Ct抗体陽性率が高い10〜30代女性を中心に、さらなる啓発を行うとともに、動向を見守りながら評価していく必要があると考えられた。

福岡市保健環境研究所 若月紀代子 山俊治 香月隆延 武田 昭

今月の表紙へ戻る


IASRのホームページに戻る
Return to the IASR HomePage(English)



ホームへ戻る