2004年のウエストナイルウイルスサーベイランス計画−英国


(Vol.25 p 183-183)

2004年6月1日から、英国におけるウエストナイルウイルス(WNV)感染症の強化サーベイランスが始まる。サーベイランスの枠組みは昨年と同様で、2004年10月31日まで行われる。

WNV感染症の可能性がある患者を診察した医師は、健康保護局(HPA)の感染症情報センター(CDSC)に報告し、検査試料(血清および髄液の両方あるいは一方)をHPAに送付しなければならない。このサーベイランスにおけるWNV感染症の疑い例の症例定義は、2004年6月1日〜10月31日の間にウイルス性脳炎、またはウイルス性髄膜炎が疑われ、以下の条件を満たす者、である。

脳炎(以下の4つの条件をすべて満たす者)

(1) 38℃以上の発熱、(2)精神状態の変化(意識レベルの変化、異常興奮、嗜眠)、他の大脳皮質の病変(局所の神経学的所見、痙攣など)の両方あるいは一方、(3)リンパ球優位の髄液中の細胞増多、細菌学的所見のみられない髄液中の蛋白の増加、の両方あるいは一方、(4)細菌学的原因が認められないこと。

髄膜炎(以下の4つの条件をすべて満たす者)

(1) 38℃以上の発熱、(2)頭痛、頚部硬直などの症状、(3)リンパ球優位の髄液中の細胞増多、細菌学的所見のみられない髄液中の蛋白の増加、の両方あるいは一方、(4)細菌学的原因が認められないこと。

2003年には米国で9,858例のWNV感染症が報告された。一方ヨーロッパでは、オランダで1例(輸入例)、フランスで2例が報告されたが、英国では報告されていない。

(CDSC, CDR Weekly, 14, No.22, 2004)

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