高病原性鳥インフルエンザ対策における留意点について(第2報)

(Vol.25 p 39-39)

医政経発第0129001号
健感発第0129001号
平成16年1月29日

都道府県
政令市 衛生主管部(局)長 殿
特別区
厚生労働省医政局経済課長
厚生労働省健康局結核感染症課長

高病原性鳥インフルエンザ対策については、その留意点について健感発第0115001号平成16年1月15日付け結核感染症課長通知(以下「旧通知」という)によりお示ししているところであるが、今般、高病原性鳥インフルエンザに感染した鳥の処理に従事する者についての感染防御に関するWHOの勧告(以下「WHO勧告」という。)が改訂されたこと等を受け、同対策の留意点について下記のとおり通知するので、貴職におかれては、対策に遺漏なきよう特段の配慮をお願いする。

なお、旧通知についてはこれを廃止するとともに、改訂後のWHO勧告を添付するので参照されたい。

 1.公衆衛生部局(保健所)においては、鶏の異常死の増加、高病原性鳥インフルエンザが発生した施設との疫学的関係が判明した等、畜産部局(家畜保健衛生所)が同疾病の発生が疑われる情報を入手した場合には、速やかに情報提供を受けられるよう畜産部局等と緊密な連携を図ること。

また、公衆衛生部局(保健所)において、高病原性鳥インフルエンザが疑われる旨の情報を入手した場合には、速やかに厚生労働省に報告するとともに、畜産部局等に対しても情報提供を行われたいこと。

 2.鳥への感染が確認された場合の鳥の殺処理等に従事する者は、医療用マスク(N95 推奨)、ゴーグル、頑丈なゴム手袋、防護服、長靴を着用するなど、必要な感染防御を施すよう徹底すること。また、感染した鳥と接触した養鶏関係者については、健康状態の確認等を確実に行うこと。

 3.鳥の大量殺処理に従事する者にH5N1ウイルスの呼吸器感染が疑われる症状が出た場合には、WHOの勧告を踏まえ、リン酸オセルタミビルによる治療ができる体制を確保すること。

 4.なお、各都道府県においては、地域における感染の蓋然性等を踏まえ、リン酸オセルタミビルの適切な供給の確保に努めるとともに、冬季の災害対策の一環としても、各都道府県の備蓄医薬品リストにこれを追加するよう努められたいこと。

 5.高病原性鳥インフルエンザに感染した鳥が発生した農場において鳥の殺処理に従事する者は、同疾病への感染により感染者の体内において高病原性鳥インフルエンザウイルスとヒトのインフルエンザウイルスの遺伝子の再集合が起きるリスクがあることから、インフルエンザの予防接種を受けるようにされたいこと。なお、接種を行う場合は被接種者に対して接種の目的等を十分説明すること。

 6.既に配布済みのQ&Aを活用するなどして、住民に対して正確な情報提供に努めること。なお、Q&Aは、新たな知見の集積等を踏まえて、厚生労働省のホームページ上で逐次更新を行うこととしているので留意されたいこと。

今月の表紙へ戻る


IASRのホームページに戻る
Return to the IASR HomePage(English)

idsc-query@nih.go.jp


ホームへ戻る