ポリオ根絶計画の進展、 2002年1月〜2003年5月−アフガニスタンとパキスタン

(Vol.24 p 270-275)

現在ポリオが地域流行している国は、 127カ国(1988年)から7カ国(2003年)に減少している。アフガニスタンとパキスタンはこの残る7つの流行国に含まれている。この2つの国は地理的に近接しており、 人の移動があり、 遺伝的に野生ポリオウイルスの系統が似ているので、 疫学的には1つの地域とみなされている。

2002年の小児の経口ポリオワクチン(OPV)3回接種率は、 アフガニスタンで48%、 パキスタンで71%であった。また、 2000年以降、 両国はNIDs(National Immunization Days)などの予防接種強化策をとっている。

ポリオ根絶計画のためのAFP(急性弛緩性麻痺)サーベイランスの指標については、 パキスタンでは2002年には非ポリオAFP率が2.8、 適切な便検体採取率が87%、 2003年には非ポリオAFP率が3.0、 適切な便検体採取率が89%であった。アフガニスンでは2002年には非ポリオAFP率が3.3、 適切な便検体採取率が81%、 2003年には非ポリオAFP率が3.8、 適切な便検体採取率が85%であった。

検査診断の指標としては、 パキスタンでは非ポリオウイルス分離率が2002年には19%、 2003年には20%で、 アフガニスタンでは2002年には15%、 2003年には17%であった。検査診断結果適時率(28日以内に検査結果が報告される%)は80%が目標であるが、 パキスタンでは2002年には99%、 2003年には94%、 アフガニスタンでは2002年には99%、 2003年には77%であった。

また、 野生株ポリオウイルスの確定症例は、 パキスタンでは2002年に90症例、 2003年に39症例で、 アフガニスタンでは2002年に10症例、 2003年に1症例である。両国におけるその他の進展としては、 ポリオウイルス伝播地域が限局されてきたこと、 ウイルスの遺伝的多様性が減少してきたこと、 などが挙げられる。

(WHO、 WER、 78、 No.30、 261-266、 2003)

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