呼吸器系疾患からのアデノウイルス3型の分離状況−香川県
(Vol.24 p 225-225)

2003年4月30日以降に呼吸器系疾患患者からアデノウイルス3型(Ad3)が19例分離され、 このうち肺炎・気管支炎症状を伴う症例が11例(58%)確認された。また、 呼吸器系疾患以外からのAd3の分離は、 流行性角結膜炎12例、 咽頭結膜熱、 不明熱各々1例であった。

呼吸器系疾患から分離されたAd3の検体の由来は、 すべて咽頭ぬぐい液であり、 男女比は男児9例、 女児10例とほぼ同数であった。男女別の臨床症状は、 男児は咽頭炎5例、 気管支炎2例、 咽頭扁桃気管支炎、 肺炎各1例、 女児は咽頭炎、 気管支炎各3例、 咽頭気管支炎2例、 気管支肺炎、 肺炎各1例で、 気管支炎・肺炎症状を伴う症例は、 女児10例中7例(70%)、 男児9例中4例(44%)と女児に多い傾向がみられた()。年齢は、 男児は1歳3例、 2、 3、 5歳各2例で、 女児は1歳4例、 0歳3例、 6、 8、 9歳各1例と、 女児は0、 1歳に患児が多い傾向がみられ、 この0、 1歳に気管支炎・肺炎症状を伴う症例が7例中6例(86%)と集中する傾向がみられた。発熱は、 39.0〜40.9℃で、 平均39.5℃であったが、 男女間および臨床症状による最高体温の差は認められなかった。

検体の臨床症状からみた送付状況では、 呼吸器系疾患の流行は現在も継続しているものと推察される。ウイルス分離には、 FL、 Vero、 RD-18S細胞を使用し、 感受性を示したのはFL、 Vero細胞で、 最も高い感受性を示したのはFL細胞であった。

香川県環境保健研究センター 三木一男 亀山妙子 山西重機

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