フィリピンにおけるSARSの集団発生事例、2003年

(Vol.24 p 166-167)

フィリピンでは1人の輸入症例により重症急性呼吸器症候群(SARS)の集団発生が起きた。病院での感染予防と追跡調査によって合計8人の発症で集団発生拡大を抑えることができた。1人は家庭内感染例で、残りは病院内感染例であった。2人が死亡し、残りの6人は回復した。

初発例(46歳女性)はトロントで働いていたフィリピン人の看護助手で、トロントで4月2日に、後にSARSとして入院した人と接触している。マニラに帰国後4月6日に倦怠感などの軽い症状を呈し、4月12日に入院するまで医療機関にかからず、4月14日死亡した。その後、初発例に濃厚接触した家族および医療従事者に感染が拡大した。初発例は4月12日に入院するまでフィリピン国内を移動していたが、地域住民に感染拡大は報告されていない。

今回の事例から、SARS症例は症状が重篤化するまでは感染性は低いこと、迅速にSARS症例を隔離対応することで感染拡大を防げること、推奨されている院内感染予防策で医療従事者におけるSARSウイルス感染は防げること、が示唆された。

(WHO、WER、78、No.22、189-192、2003)

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