ブルーリ潰瘍(Buruli ulcer)

(Vol.24 p 137-137)

ブルーリ潰瘍は、 mycolactoneと名付けられる毒素を産生するMycobacterium ulcerans による感染症であり、 外観上重篤な後遺症を呈する疾患である。伝播経路は明らかにされておらず、 効果的な薬物療法も開発されていない。全世界で少なくとも30カ国で流行しており、 特にサハラ以南アフリカの小児に多く報告されている。

オーストラリアでは1990年代に突然発生が増加し、 現在年間20〜30例みられている。症例数の増加の大部分は、 熱帯地域のかなり南に位置するビクトリア州に集中しており、 ほとんどの症例は晩冬〜初春の8月、 9月に発生している。

南米フランス領ギアナでは1969年に最初の患者が確認されてから、 2002年12月31日までに193例が報告されている。症例は沿岸地域に集中している。

スーダンはコンゴ民主共和国やウガンダなどの流行国と国境を接しているが、 南スーダンからは数例のみの報告であった。しかし2002年7月に、 エクアトリア地方にある難民キャンプにおいて発生がみられ、 その結果、 2002年の7月〜10月にかけて568例の疑い例が報告され、 感染が拡大したことを示している。

(WHO、 WER、 78、 No.19、 163-168、2003)

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