先進国におけるE型肝炎ウイルスの疫学

(Vol.24 p 114-115)

先進国でのE型肝炎ウイルス(HEV)流行状況を把握するため、 スペイン、 フランス、 ギリシャ、 スウェーデンおよび米国でHEV排出についての分析を行った。

1994〜2002年までにバルセロナ(スペイン)で集められた都市下水46検体のうち、 20検体(43%)はHEVが陽性であった。HEVの15のウイルス株が確認され、 それらは以前バルセロナの臨床例から検出された株や、 様々な非流行地域の株と類似していた。ワシントンD.C.(米国)、 ナンシー(フランス)の下水検体からも2株のHEVを検出し、 これらはHAVも陽性であった。さらに、 ブタのリザバーとしての役割を検討し、 新たなブタのHEV株を発見した。この研究結果は、 先進工業国では以前に考えられていた以上にHEVが多く存在し、 一つの地域では同時に変異したウイルスも流行していることを示唆している。

(CDC、 EID、 9、 No.4、 448-454、 2003)

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