グリコペプチド系抗菌薬中度耐性黄色ブドウ球菌(GISA)、 2002年−英国・スコットランド

(Vol.24 p 93-93)

ランカシャーで2002年12月に死亡した患者が、 GISAに感染していたことが確認された。GISAはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の治療に最初に用いるバンコマイシンやテイコプラニンといった抗菌薬に抵抗性を有する。今回の症例はスコットランドで2例目の報告で、 おそらく英国では初めての死亡例である。この症例は50歳前半の女性で、 8月に大腸手術を受けて、 術後回復室でMRSAに感染したと考えられる。抗菌薬治療を積極的かつ適切に行ったにもかかわらず、 MRSAはグリコペプチド系抗菌薬に対して抵抗性を示すようになった。

MRSAが抵抗性を獲得した時期に、 病院内でこの症例に接触のあった全患者・職員・家族にスクリーニング検査を行った。GISAが人から人に感染した証拠は見られなかった。

(SCIEH Weekly Report、 36、 No.2002/50、 2002)

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