コクシジオイデス症の増加、 1998〜2001年−米国・アリゾナ州

(Vol.24 p 93-93)

コクシジオイデス症はCoccidioides immitis の胞子を吸入することにより発症し、 米国南西部、 メキシコの一部、 中南米で報告されている。症状は40%の人にあらわれ、 インフルエンザ様症状から重篤な肺炎まで多様な症状を呈する。ハイリスクグループは黒人、 フィリピン人、 妊娠3期の妊婦や免疫不全の人であるといわれている。

アリゾナ州保健局は、 2001年のコクシジオイデス症発生は2,203例(43例/人口10万人)であると報告した。特に、 2001年は冬季(10〜12月)に著明なピークを認めた。これは1995年の186%に相当する。CDCはサーベイランスシステム(National Electronic Telecommunications System for Surveillance:NETSS)とアリゾナ州入院患者データベース(Arizona Hospital Discharge Database:AHDD)および環境・気象データをもとに、 この急激な増加を解析した(コホート研究など)。その結果、 コクシジオイデス症が2001年の冬季に急激に増加した理由は、 気象環境(長い高温期とそれに引き続く乾燥期)と関係している可能性が示唆された。アリゾナ州保健局は、 冬季にインフルエンザ様症状を呈する患者に対してコクシジオイデス症の検査を行うことを考慮しなければならない、 と提言している。

(CDC、 MMWR、 52、 No.6、 109-112、 2003)

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