2003/04シーズンのインフルエンザワクチン推奨株−WHO

(Vol.24 p 92-92)

今回の報告は北半球において来シーズン(2003年11月〜2004年4月)に使用するインフルエンザワクチン推奨株に関するものである。南半球での来シーズン(2004年5月〜10月)推奨株については、 2003年10月に報告される予定である。

2002年9月〜2003年2月の間、 インフルエンザウイルスA/H1N1型、 A/H1N2型、 A/H3N2型、 B型が世界中で流行した。

A/H1N1型とA/H1N2型はともにA/New Caledonia/20/99株、 A/H3N2型はA/Moscow/10/99株とA/Panama/2007/99株、 B型はB/Hong Kong(香港)/330/2001株およびB/Sichuan(四川)/379/99様株に類似していることが確認された。

最近の分離株はA/Panama/2007/99株と異なり、 A/Fujian(福建)/411/2002株と類似しているが、 ワクチンとして使えるA/Fujian/411/2002様株がないことと、 A/Panama/2007/99類似であるが抗原性が異なることから、 A/H3N2型に対するワクチン株としてA/Moscow/10/99類似株を推奨する(フェレット血清に感染させたインフルエンザA/H3N2型ウイルスのHI試験により、 A/Moscow/10/99様株が、 A/Panama/2007/99およびA/Fujian/411/2002の両方の抗体価を十分に上昇させることが明らかになっている)。

B型ウイルスは北半球で広域に大流行や散発発生を起こしている。その大半はB/Hong Kong/330/2001類似ウイルスであり、 B/Sichuan/379/99類似ウイルスの流行は低い水準である。

よって2003/04シーズンのインフルエンザワクチン推奨株は以下のとおりである。

 A/New Caledonia/20/99(H1N1)類似株
 A/Moscow/10/99(H3N2)類似株
 B/Hong Kong/330/2001類似株

(WHO、 WER、 78、 No.9 & 11、 58-62 & 77、 2003)

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