香港特別行政区でのインフルエンザA(H5N1)型患者発生(福建省からの輸入患者)

(Vol.24 p 67-68)

2003年2月19日現在、 香港で1人の子供の検体が2カ所の研究室で検査され、 トリインフルエンザウイルスA(H5N1)型と同定された。香港では1997年にA(H5N1)型ウイルスの流行で18名の患者と6名の死者が発生した。今回は、 母親と2名の姉妹とともに1月に中国の福建省に旅行した9歳の少年が2月9日に発症し、 2月12日に香港の病院に入院した。少年は回復し、 病状は安定している。少年の家族には同様の症状が認められ、 妹と父親が死亡している。母親も発症したが、 回復した(WHO/CSR 2003年2月19日)。

2月20日現在、 香港衛生署は、 2月17日に香港の病院で死亡した33歳男性(上記9歳男児の父親)が、 インフルエンザウイルスA(H5N1)型に感染していたことを確認した。この男性は、 今回の香港での流行で、 インフルエンザA(H5N1)型が確認された2例目の患者である。9歳男児の8歳の妹は福建省で2月4日に死亡した。香港衛生署は、 流行の感染源を明らかにするために検査と疫学調査を継続しており、 遺伝子型などの詳細な検査が行われている。香港衛生署によると、 過去数週間にインフルエンザの活動性の異常な上昇は検出されていない。

WHO世界インフルエンザサーベイランスネットワークは警戒態勢を取っており、 加盟国のインフルエンザセンターや他のメンバーに対し、 検査診断に必要な追加試薬を用意している(WHO/CSR 2003年2月20日)。

今月の表紙へ戻る


IASRのホームページに戻る
Return to the IASR HomePage(English)

idsc-query@nih.go.jp


ホームへ戻る