ヘルパンギーナからのA群コクサッキーウイルス6型の分離−広島市

(Vol.23 p 197-197)

広島市における2002年のヘルパンギーナの流行は、 過去3年間のうち最も小規模な流行となっている。昨年と同様に第22週から患者数が増加し始め、 第24週にピーク(一定点当たり3.00人)となったが、 それ以降もほぼ横ばい傾向を示し、 第27週を過ぎでも2.00人前後で推移している()。

同患者5人についてウイルス分離を実施した結果、 1月(3歳、 男性)および3月(年齢不詳、 男性)の流行前の一時期に採取された患者2名の咽頭ぬぐい液および糞便からA群コクサッキーウイルス6型(CA6)が分離された。主な臨床症状はともに発熱(39.5℃)と上気道炎であった。ウイルスはRD-18S細胞のみで分離された。同ウイルスは昨年の9月と11月にヘルパンギーナ以外の患者2名から分離されている。

一方、 流行期に入ってからは、 7月発症の患者1人(1歳、 男性)の咽頭ぬぐい液からエコーウイルス13型(E13)が分離されたのみで、 CA6は分離されていない。現在、 広島市ではE13による無菌性髄膜炎が多発している。したがって、 今夏のヘルパンギ−ナが CA6 による流行であるのかは、 これまで明らかでない。

広島市衛生研究所
池田義文 国井悦子 野田 衛 藤井彰人 平ア和孝 荻野武雄

今月の表紙へ戻る


IASRのホームページに戻る
Return to the IASR HomePage(English)

idsc-query@nih.go.jp


ホームへ戻る