未治療のHIV感染者における薬剤耐性変異

(Vol.23 p 112-112)

研究班の共同研究の一環として、 現在7カ所の衛生研究所(北海道衛研、 東京都衛研、 神奈川県衛研、 横浜市衛研、 愛知県衛研、 大阪府公衛研、 兵庫県衛研)において、 HIV感染者の依頼検体について、 薬剤耐性変異の解析を行っている。

1998〜2001年までの間にこれら7カ所の衛生研究所において、 未治療のHIV感染者については、 182例の解析が行われており、 その8例(4.4%)から通常野生株では見られない薬剤耐性変異(表1)が検出された。これら耐性変異の検出された8例のHIVは、 サブタイプBであった。

また耐性変異の検出された8例の感染者はすべて日本人男性であり、 日本人男性の未治療患者(121例)における耐性変異の検出率は6.6%であった。抗HIV薬の治療の普及とともに薬剤耐性変異株による感染例が増加する懸念もあり、 今後ともその動向には注意が必要である。

神奈川県衛生研究所ウイルス部 近藤真規子 今井光信
(厚生労働省HIV検査法・検査体制研究班)

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