流行末期に中学校集団かぜからB型インフルエンザウイルス分離−島根県
(Vol. 22 p 168-168)

2000/01シーズンのインフルエンザは、 全国的な傾向と同じく、 島根県ではA/ソ連型、 A/香港型およびB型が混在する流行形態であった。B型インフルエンザウイルス流行初期(1月中旬〜3月中旬)の分離株は、 国立感染症研究所から分与されたフェレット感染抗血清のB/Shangdong(山東)/07/97とは反応せず、 B/Yamanashi(山梨)/166/98とは低いHI価(10〜40)ながらも反応したことからB型ウイルスと同定した。さらに3月中・下旬以降の分離株は感染研分与のB/Yamanashi/166/98とは反応せず、 デンカ生研製のB/Yamanashi/166/98を使用することによってB型ウイルスと5月中旬まで同定してきた。

インフルエンザ流行末期の集団かぜは、 2001年5月28日、 県中部の平田市内の中学校(児童数267名、 8学級)の1年生のクラスで発生し、 学年閉鎖が行われるとの報告があった。所轄保健所が調査したところ、 1学年2クラス69名中31名が発症し、 うち12名が欠席した。主要症状は発熱(38〜39℃)、 頭痛、 鼻汁、 咳、 倦怠感であった。

患者10名(いずれも今シーズンのワクチン未接種)についてうがい液を採取し、 MDCK細胞を用いてウイルス分離を実施したところ、 4名からインフルエンザウイルスが分離され、 Directigen FluA (−)、 インフルエンザOIA (+)と反応したことからB型ウイルスであることが確認された。

HI試験による同定はモルモット赤血球を用いて、 国立感染症研究所から分与されたフェレット感染抗血清により行ったところ、 抗B/Shangdong/07/97に対しHI価10を示したが、 抗B/Yamanashi/166/98とは反応しなかった。

また、 患者のうち9名の急性期・回復期のペア血清について、 同検査キットにより血清HI抗体価の測定を行った結果、 B/Yamanashi/166/98で3名が4倍以上の抗体価上昇を示したが、 B/Shangdong/07/97では2倍の抗体価上昇程度であった。なおA/New Caledonia/20/99、 A/Moscow/13/98、 A/Panama/2007/99に対しては抗体価上昇はみられなかった。

このようにシーズンの経過とともにB型分離株とB/Yamanashi/166/98との反応性に変化がみられ、 さらに流行末期になって系統の異なると考えられるB/Shangdong/07/97と反応するB型ウイルスによる集団発生がみられた。

島根県保健環境科学研究所・感染症疫学科
武田積代 飯塚節子 糸川浩司 田原研司 板垣朝夫
松江健康福祉センタ− 穐葉優子
出雲健康福祉センター

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