2000/01シーズンのインフルエンザの状況−米国
(Vol. 22 p 119-120)

米国で2000年10月1日〜2001年3月10日までに患者から採取された64,840検体中、 8,386検体(13%)がインフルエンザウイルス陽性であった。そのうち、 A型インフルエンザウイルス陽性が4,885検体(58%)、 B型インフルエンザウイルス陽性が3,501検体(42%)であった。A型インフルエンザウイルスのうち1,826株がサブタイプ分類され、 1,746株(96%)がA(H1N1) 型、 80株(4%)がA(H3N2) 型であった()。

A(H1N1)型 259株の抗原性が検討され、 246株(95%)がA/New Caledonia/20/99類似株、 残り13株(5%)がA/Bayern/07/95類似株であった。なお、 A/New Caledonia/20/99株を含む2000/01シーズン用ワクチンは、 A/Bayern/07/95株と交差反応性を示し高い抗体産生を促す。A(H3N2)型の16株すべてはA/Panama/2007/99類似株であった。B型161株の抗原性ついては、 29株(18%)がB/Beijing(北京)/184/93株に類似、 132株(82%)がB/Sichuan(四川)/379/99株に類似していた。なお、 B/Sichuan(四川)株は、 ワクチン株であるB/Beijing(北京)株と交差反応性を示す。

定点医療機関受診者におけるインフルエンザ様疾患患者比率は、 2001年第4週に4.1%でピークを迎え、 第10週現在1.6%まで減少した。一方、 州保健局からの報告によると、 インフルエンザの活動性は2001年の第5〜6週にピークを迎えていた。2001年第10週現在、 死亡原因の8.0%が肺炎とインフルエンザによるもので、 同時期の流行を示す閾値8.7%を下回っていた。2000年10月1日〜2001年第10週現在に至るまで、 この指標がその時期の流行の閾値を超えることはなかった。

以上、 2000/01シーズンのインフルエンザの活動性はおだやかなものであり、 最近の3シーズンと比較し低いものであった。

(CDC、 MMWR、 50、 No.11、 207-209、 2001)

今月の表紙へ戻る


IASRのホームページに戻る
Return to the IASR HomePage(English)

idsc-query@nih.go.jp

ホームへ戻る