集団かぜからのインフルエンザウイルスA/ソ連型(H1)の分離−福井県
(Vol.22 p 59-60)

2001年1月24日、県の嶺南に位置する小浜市の小学校で今シーズン初めての集団かぜが発生した。MDCK細胞により、患者うがい液からのウイルス分離を試みたところ、6名中3名のうがい液からインフルエンザA/ソ連(H1)型が分離された。分離ウイルス株は赤血球凝集抑制(HI)試験で、国立感染症研究所から分与された今シーズンのワクチン株であるA/New Caledonia/20/99(H1N1)抗血清のホモ価(320)と同等に反応しており、ワクチン類似株であると思われた。患者の症状は発熱(38〜39.5℃)、頭痛、鼻汁、咳、咽頭痛などの呼吸器症状が主で、なかには下痢などの胃腸炎症状を伴う患者もみられた。なお、この集団かぜでは6年生の1クラス(在籍者数32名のうち14名が欠席)で学級閉鎖の措置がとられた。

これまでのところ、福井県では散発患者を含め、インフルエンザウイルスが分離同定されたのは本事例が最初であり、本格的流行に拡大するのかどうか今後の動向が注目される。

福井県衛生研究所 有定幸法 松本和男

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