学校集団かぜからのB型インフルエンザウイルスの分離−静岡県
(Vol.22 p 30-30)

静岡県におけるインフルエンザは例年第3週〜6週に流行のピークを迎えるが、今シーズンは第3週における患者報告数は定点当たり0.77人と少なく、まだ目立った流行はみられない。

2001年1月30日現在の集団かぜによる学級閉鎖は、志太榛原保健所管内の2小学校と1幼稚園の3学級にとどまっている。今回、1月17日に発生した焼津市内A小学校、1月22日に発生した藤枝市内B小学校の集団かぜについて、うがい液を採取してMDCK細胞を用いてウイルス分離を行った。その結果、A校の4/11人、B校の6/9人から、B/Yamagata(山形)/16/88系統に入るB型ウイルスが分離された。また、各校の一部の検体については発育鶏卵でも同ウイルスが分離された。志太榛原保健所管内では、2000年8月および12月にも散発的に同系統のB型ウイルスが分離されており、これらとの抗原的な関係が注目される。

なお、今回、ウイルス分離用うがい液として生理食塩水を用いたところ、採材準備の簡略化および患者の抵抗感の軽減化が図られた。また、ウイルス分離においても良好な成績が得られ、実用的な方法であることが確認された。

静岡県環境衛生科学研究所 佐原啓二 杉枝正明 長岡宏美 秋山眞人
静岡県志太榛原保健所   篠宮千泰 杉山郁子 藤田 信

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