エコーウイルス13型によるウイルス性髄膜炎の集団発生、2000年−ドイツ
(Vol. 21 p 246-246)

ドイツ東部のWeissenfels地区で、ウイルス性髄膜炎患者の報告数が通常年平均1〜2症例のところ、2000年4月30日〜5月31日までの1カ月間に10症例が報告された。患者は4カ月〜15歳の小児で、強度の頭痛、38〜39℃の発熱、項部硬直、嘔吐などの症状があった。全員が入院したが、3〜4日後には軽快し1週後には退院した。患者の髄液から、ドイツでは稀な型であるエコーウイルス13型(E13)が検出された。今回のWeissenfels地区の集団発生では、流行期間中に計44症例が発生した。そのうち41症例が生後4週〜17歳で、3症例は成人であった。患者発生数は5月22日〜31日と6月10日〜20日にピークがあった。

隣接する地区でもウイルス性髄膜炎患者の集団発生が報告された。6月18日〜9月4日までに小児45症例と成人2症例が発生し、やはりE13による症例と確認された。そのうち隣接する2つの地区で発生した18例については、疫学的な関連が示唆されている。E13のこの地域への侵入経路は不明である。

英国でも今夏E13感染症の報告数が増加した。英国では、E13は過去10年で計19例の分離が報告されているが、2000年は30週までに67株の分離(うち38株は髄膜炎患者から)が報告された。髄膜炎患者からの分離株38株中26株が15歳以上の患者から分離され、患者の年齢層はドイツより高かった。

(Eurosurveillance Weekly No.40、 2000)

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