A型肝炎ワクチンについて−WHO

A型肝炎は、依然として、世界の感染症対策の上で大きな問題である。A型肝炎対策には、A型肝炎ワクチンという有効な手段が存在する。今回、WHO はA型肝炎ワクチン接種における指針を報告した。

高度侵淫地域:大部分が幼少時にA型肝炎ウイルスに暴露され(ほとんどが無症候性)、その免疫により成人におけるA型肝炎の発症を防ぐと考えられる。そのため、A型肝炎ワクチンを通常予防接種計画に組み込む必要は認められない。

中等度侵淫地域:幼少時のA型肝炎ウイルス暴露の機会が少なく、大部分の成人はA型肝炎ウイルスに対する免疫を保有していないと考えられる。そのような地域では、A型肝炎の散発・局地的な流行などによる公衆衛生上の影響が大きいため、A型肝炎ワクチンを通常の予防接種スケジュールに組み込んだ大規模な計画を考慮する必要がある。

低度侵淫地域:A型肝炎ワクチンを通常の予防接種スケジュールに組み込んだ大規模な計画は必要なく、ハイリスク集団(流行地域への旅行者など)に対する随時の予防接種などを考慮すべきである。

以上の指針は、各国の公衆衛生上の優先事項、整備基盤、経済状況などを考慮して計画・実行に移すべきである。

(WHO、WER、75、No.5、38、2000)

今月の表紙へ戻る


IASRのホームページに戻る
Return to the IASR HomePage(English)

idsc-query@nih.go.jp

ホームへ戻る