今シーズン(1999/2000)当初におけるインフルエンザウイルスA(H3)型の分離−静岡県

静岡県内のインフルエンザの届け出は、第41週(10月11日〜17日)において12人(0.09人 /定点)であり、インフルエンザはまだ本格的に流行していないが、10月21日に採取された家族内流行の検体からインフルエンザウイルスA(H3)型が2株分離されたので報告する。

症例は静岡市在住の2歳と4歳の姉妹で、2人とも10月17日に発病し、発熱(39℃)と下気道炎を主訴として県立総合病院を受診した。検体の咽頭ぬぐい液は、10月21日に採取され、感染症流行予測調査の一環で10月22日に当研究所に搬入されたもので、当日MDCK細胞に接種してウイルス分離に供した。国立感染症研究所・呼吸器系ウイルス室分与の1998/1999シーズン用検査抗血清キットを用いてHI試験を行うと、この分離株を抗原とする抗A/シドニー/5/97血清(ホモ価1:160)の抗体価は1:320〜1:640であった。

静岡県環境衛生科学研究所
佐原啓二 長岡宏美 三輪好伸 杉枝正明 秋山眞人

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