高校生のHIV感染危険行為の傾向、1991〜97年−米国大都市部

近年米国の高校生で性的危険行為は減少しているが、HIV感染症は1997年の15〜24歳の死亡原因の第7位を占めている。そこで、CDCは都市部での特にHIV感染危険行為が減少しているかどうかを検討するために、1991、93、95、97年に8つの大都市のいくつかの校区(マサチューセッツ州ボストン、イリノイ州シカゴ、テキサス州ダラス、フロリダ州フォートローダーデール、ニュージャージー州ジャージーシティ、フロリダ州マイアミ、ペンシルベニア州フィラデルフィア、カリフォルニア州サンディエゴ)で行われた、青年危険行為サーベイ(Youth Risk Behavior Surveys, YRBS)のデータを解析した。いくつかの都市では、HIV感染危険行為を行う高校生の比率は1991年と97年とを比較すると減少していることが判明した。

サーベイは、性行為、相手の数、コンドームの使用などを含む無記名式の質問票に記載してもらう方法で、調査を通して年ごとの校区でのサンプルサイズは369〜3,343で、学校回答率は81〜100%、生徒回答率は62〜85%、全体での回答率は60〜85%であった。

1991年〜97年にかけて、性交経験のある生徒の比率はシカゴ、ダラス、フォートローダーデールで有意に減少した。ボストンでは1993年〜97年にかけて減少した(ボストンでは1991年のデータがなかった)。減少率は7%(ダラス)〜16%(シカゴ)であった。複数の性交相手をもつ生徒は同じ4つの都市で有意に減少していた。減少率は12%(フォートローダーデール)〜33%(シカゴ)であった。シカゴ、ダラス、フォートローダーデール、フィラデルフィアで最近性交渉があった生徒の比率は有意に減少し、8%(ダラス)〜16%(シカゴ)の減少率であった。最近性交渉のあった生徒の中でコンドーム使用の比率が増加したのは、シカゴ、ダラス、フォートローダーデール、ジャージーシティ、マイアミ、フィラデルフィアで、増加%は、25%(ダラス)〜52%(ジャージーシティ)であった。
(CDC、MMWR、 48、No.21、440、1999)

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