川崎市で発生した「バリバリいか」によるSalmonella Oranienburg食中毒の概要

1999年3月20日(土)、本市高津区内で、たけのこ子供会が開催され、66名(幼児2名、学童56名、大人8名)の参加者が「バリバリいか」、シュークリーム、せんべい、キャンディーなど8種類の詰め合わせ菓子を喫食した。3月30日、中原区内の日本医科大学病院より、嘔吐、水様性下痢、発熱、腹痛を主訴とする子供会の参加者2名からサルモネラO7群菌が検出されたとの患者発生通報があった。2名の患者の共通食は子供会での喫食物のみであった。

同日より食中毒の疑いで調査を開始し、発症者13名、健康者2名、当該品ではないが小売店での「バリバリいか」の残品5袋中2袋よりSalmonella Oranienburgを検出した。「バリバリいか」2検体のサルモネラ汚染菌量は一方が約7.0×102 /g、他方が約1.0×102 /gであった。また、分離菌株は常用抗生剤(ABPC、CER、CP、FOM、GM、KM、NA、SM、ST、TC)に感受性であり、イノシット非発酵菌で患者由来株と食品由来株のXbaIによる50kbpから900kbpのパルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)は全く同じパターンを示していた。また、本市においても本年2月初旬ころより3名の散発下痢症患者や河川水の定点観測(3定点)からS. Oranienburgが検出されており、この6株も今回の食中毒株とPFGEを含めた諸性状が同一であった(図1)。

なお、「バリバリいか」は青森県八戸の海産物加工場から埼玉県浦和市の小分け業者を経由して全国各地に配送され、いわゆるdiffuse outbreakの可能性があるので各地での発生動向に注意されたい。

川崎市衛生研究所
小川正之 佐野達哉 殿岡弘敏 松尾千秋
小嶋由香 本間幸子 吉田 學 佐藤欣彌

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