エコーウイルス18型の分離−福島県

福島県内において、1998(平成10)年3月に急性咽頭炎の2歳女児の咽頭ぬぐい液からエコーウイルス18型(以下E18)が分離された。この患者の主症状は、発熱39.1℃、食欲不振、咽頭発赤等であった。ウイルスの分離にはRD-18S、HEp-2、Vero、HMV-IIの4種類の細胞を用いているが、E18が分離された検体の細胞変性効果が強く現れたものはRD-18Sで、検体によってはVeroにも弱く現れた。

中和試験は、国立感染症研究所より分与していただいた「EP-95 」、デンカ生研混合抗血清の両方において判定が容易であった。なお、同定には、デンカ生研中和試験用E18型抗血清を使用した。

その後、1998年12月までに80症例95株、県内広範囲の地域で分離されており、臨床診断名として急性咽頭炎以外に、ウイルス性発疹症、急性上気道炎、髄膜炎の疑い等で、年齢的には3歳以下の乳幼児から多数分離されている。

福島県衛生公害研究所
土屋ミサ子 菅野正彦 三川正秀 平沢恭子
鈴木サヨ子 氏家悦男 加藤一夫

今月の表紙へ戻る


IASRのホームページに戻る
Return to the IASR HomePage(English)

idsc-query@nih.go.jp

ホームへ戻る