<速報> エコーウイルス30型の分離−滋賀県

滋賀県では1997年に、エコーウイルス30型(E30)が29株分離された。分離は8月〜11月まで多く、分離された対象は無菌性髄膜炎(AM)患者がほとんどを占め、29名のうち2名のみが上気道症状を示した。

一方、1998年に入ってE30の分離は5月からあり、6月までに33株分離された。また、分離された対象はAM患者20名および上気道炎患者13名と、1997年とは異なり、上気道炎患者も多く含まれていた。

滋賀県の1998年におけるE30の流行は、5月という早い時期から分離が増えていること、AM患者ばかりでなく、上気道炎患者からも分離されていることなど、1997年に比べてウイルスの侵淫が広がっていることがうかがえる。また、前回1991年のE30の大流行から7年が経っており、感受性者の蓄積もあることから、今後大きな流行に発展することが予想される。

1998年1月〜6月までに分離された33名の性別内訳は、男19名、女14名であるが、AM患者は男12名、女8名と男が多かった。年齢別では7歳以下が24名とほとんどを占めた。

当所ではウイルス分離に、RD-18S、HeLa、Vero、FLの各細胞を用いているが、ほとんどがRD-18Sで分離され、エンテロウイルスレファレンスセンター分与の「EP95」および国立感染研分与抗E30単味血清で同定された。

滋賀県立衛生環境センター 横田陽子 大内好美 吉田智子

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